私は現在、全長約70メートルのタンカーに、一等航海士として乗船しています。海は急
に荒れることもあれば、静かな湖面の様に感じる事もあるなど、人間のコントロールが
及びません。そんな自然相手の仕事は時に過酷さを伴うこともあります。本船は一人
での当直なので、思わぬ船の接近を回避するなど非常時の判断も、自分一人に委ね
られています。常に安全第一、安全運航を心がけて細心の注意を払いながら操船して
います。緊張感のある仕事ですが、様々な困難を一つひとつ乗り越えられた時には、
大きな達成感があります。

出身が海に面した地域が多い鹿児島県で、幼い頃より海に親しみがありました。当時から沖縄航路のフェリーや、石油基地に入る原油タンカーなどを眺めることが好きだったこともあり、将来は船に乗ろうと決めていました。

20歳から船に乗っていますが、航海士という仕事を選択したことに間違いはなかったと思っています。船上からしか見ることのできない景色はいつも素晴らしく、
日々の癒しとなっています。